虫歯治療
![虫歯治療](https://banshika.com/wp/wp-content/themes/ban/assets/images/treatment/img_cavity01.jpg)
う蝕(虫歯) は口の中の常在菌よって発症する疾患です。
近年では虫歯のなりやすさや進行速度が人によって異なることが分かっています。
そのため伴歯科診療所の虫歯治療は一律の方針ではなく、
それぞれの患者さんの歯ごとに「削らない治療」と「削る治療」の判断を細かく行っていきます。
歯が耐えられる治療回数には限りがあるため、
極力削らないこと、一回一回の治療を確実に行うことが大切になってきます。
虫歯の原因とその進行
虫歯の根本的な原因は「磨き残し」です。
磨き残しに細菌が定着し、そこで産生された酸によって歯の組織が徐々に溶かされていきます。
虫歯は進行具合によって症状と治療法が異なります。
01
虫歯(C0)
![虫歯(C0)](https://banshika.com/wp/wp-content/themes/ban/assets/images/treatment/img_cavity02.png)
虫歯菌が出す酸によってエナメル質内にある
カルシウムなどが溶け出した脱灰状態を指します。
見た目は白っぽくなっていますが、まだ穴は開いておらず痛みもありません。
治療では歯を削ることはせずに、お手入れレベルを上げるための
ブラッシング指導とフッ素塗布をおこなって、
再石灰化(自然修復)を目標としていきます。
02
虫歯(C1)
![虫歯(C1)](https://banshika.com/wp/wp-content/themes/ban/assets/images/treatment/img_cavity03.png)
エナメル質内に虫歯がある状態を指します。
C0よりも進行し表面に陥凹が認められる状態です。
目立った自覚症状はなく、早期であれば、
C0と同じくブラッシング指導とフッ素塗布で再石灰化を目標とします。
ある程度進行してう蝕部位の清掃が行えない場合は、
最小の範囲で削合を行いコンポジットレジン(CR)とよばれる
プラスチック製の白い詰め物で形態の修正を行います。
03
虫歯(C2)
![虫歯(C2)](https://banshika.com/wp/wp-content/themes/ban/assets/images/treatment/img_cavity04.png)
エナメル質の奥にある象牙質まで虫歯が進行した状態を指します。
象牙質には歯の神経につながる無数の管が存在するため、
しみたり、ときどき痛んだりなど自覚症状が出始めます。
虫歯の範囲があまり大きくなければCRで形態の修復を行いますが、
大きな範囲を修復しなければならない場合や、
口の中で直接CRをしづらい箇所に虫歯がある場合は、
型取りをして詰め物や被せ物を作り、後日それをセットする必要があります。
04
虫歯(C3)
![虫歯(C3)](https://banshika.com/wp/wp-content/themes/ban/assets/images/treatment/img_cavity05.png)
象牙質のさらに奥にある歯髄(しずい)にまで虫歯が進行した状態を指します。
歯髄には歯の神経があるため、強い痛みを感じて
慌てて来院する方も少なくありません。
症状が著明でなく内部の細菌感染が軽度な場合には、まず極力歯の神経を残すための治療を行います。
または症状、感染が強い場合には歯髄を取り除き内部を消毒する根管治療をおこないます。
小さな器具を使って少しずつ消毒を行うため、根管治療だけで2〜3回ほどかかります。
根管治療後は、CRや被せ物で歯の形態を回復し再度噛めるようにしていきます。
05
虫歯(C4)
![虫歯(C4)](https://banshika.com/wp/wp-content/themes/ban/assets/images/treatment/img_cavity06.png)
歯の頭がほとんど溶かされて根っこだけになった状態を指します。
歯髄は完全に壊死しているため痛みを感じないことが多いのですが、
内部では菌が増殖し続けており危険な状態です。
根っこの先端に膿がたまる根尖病巣を発症すると、周囲の骨を失うだけでなく、
膿が拡大することで隣接する歯にも悪影響をもたらす可能性があります。
早期であれば根管治療で病巣を治療し、被せ物をして歯としての機能を回復できますが、
感染が重度で歯根を利用できない場合には抜歯をしなくてはいけません。
質の高い虫歯治療で
歯を失うリスクを最小限に
歯の削合を伴う虫歯治療は、
歯の組織を元に戻すのではなく、あくまで人工物で補うものです。
治療回数が多ければそれだけ自身の歯の量が減り、ヒビや破折が生じ抜歯へとつながります。
虫歯で歯を失わないためには、早期に発見をして削らない治療を行うこと、
削らざるを得ない場合には切削を最小の範囲にとどめ再発のリスクをおさえた
質の高い治療を行うことが大切です。